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阪大法について

 阪大法は大阪大学医学部精神医学科教室の故辻悟先生を中心とした「関西ロールシャッハ研究会」の活動とともにこれまで発展してきました。
 ロールシャッハの多くのスクールが『主題・内容分析』を用いて解釈を進めていくのに対し、阪大法では『形式・構造分析』というオリジナルな考え方を用いて被験者のこころにアプローチしていきます。
 この『形式・構造分析』の一端に触れると、被験者が「外輪郭形体」を捉えて反応算出しているか否か、つまりは「初期集約的把握」と呼ばれる時期を通過しているか否かをプロトコルから読み取り、解釈に反映させていきます。これは精神分析的には自我境界の成立とも重なり、被験者がプレエディパル〜エディパルのどの段階に定位しているかの理解にもつながるのです。
 記号化については、クロッパー法や片口法との多くの共通点を持ちながら、そこに阪大法独自の考え方も加わり構造化されております。また他のスクールのように記号化を踏まえて解釈を進めるのではなく、記号化のプロセスそのものが解釈過程ともなり、被験者のこころのあり方を追体験する重要な機会と考える点が大きな特徴です。
​ 阪大法は精神科臨床で発展してきた方法ですので、対象者の病態水準理解やその後の治療および心理療法の検討に非常に役立ちます。また例えば最近何かと話題の発達障害者の心の理解にも多くの示唆を与えてくれることでしょう。
​ 阪大法に触れることは、ロールシャッハの理解をこれから深めようと考えていらっしゃる初心の方のみならず、これまで阪大法以外のスクールをベースに臨床をされてきた中級者以上の方にとっても、理解をより一層深める大変貴重な機会になると思います。皆様には是非その魅力に触れていただきたいとも考えております。

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